買い上げ金額1569円だったら、小さな袋に430円を入れておく。
相手も心得たもので、渡辺店長がきたら2千円を手渡してくれる。
S本部もOFCもこんな接客方法は教えていない。
OFCは各加盟店主の創意工夫を尊重し、より商圏に合った店作り、サービスの創造に取り組んでいる。
原則店を見ないSにとって、現場からの情報やPOSデータから吸い上がってくる販売実績は経営判断を下すよりどころである。
OFCに向けた的確な指示を火曜日に出せるように、S本部では1日前の月曜日に数多くの会議が開かれる。
月曜日午前9時30分からSも参加するマネージャー会議がある。
ゾーン・マネージャーが前週末時点までの店舗運営の問題点、トラブルなどを報告する。
午後一時からは本部側からゾーン・マネージャーに対して長期的な営業方針や販促計画のほか、店舗システム変更などの報告がある。
3時からはSが主宰する業務改革委員会(業革)がある。
役員、ゾーン・マネージャー、ゼネラルマネージャーらが出席する。
各部門が持ち回りで問題点と改善・改革の方向性を提案する。
店舗への商品配送が定時通り到着しない場合には、どこがネックになっているのか、それが構造的な問題なのか、それとも一時的なものなのか、潜在的に各地域に発生するリスクがあるのかなどを報告する。
店舗で利益を上げるために商品開発から配送までの一気通貫の垂直統合の仕組みが円滑に機能する抜本的な方策を打ち出す。
特にSは仕事の惰性を排除する。
自分が正しいと思い込んでいる経験によって仕事を遂行することを戒める。
経験を引きずった仕事は大抵消費者のためになる業務になっていない。
自分たちが楽なような仕事をすることになりがちだからである。
当然のことながら過去を否定することは、取引先との仕事の仕方も大きく変えていかなくてはいけないということである。
取引先から常識はずれと言われた、弁当、総菜類の1日3回配送も、消費者の立場に立って考えれば、鮮度の良い商品を提供することにつながる。
配送コストは1日1回に比べると3倍になるが、品切れを起こさない店を作れば3倍以上の売り上げも可能となる。
即断、即決も業革の大きな特色の一つである。
加盟店主にとって有意義な情報があれば直ちにOFCや店舗情報ネットワークを通じ連絡する。
消費者の先手を打つことは出来ないが、消費者の変化にどれだけ早くついて行けるかを、常に考えているのが業革である。
FC会議での訓話と同様、消費者の変化に対応していくためにトップの強烈なリーダーシップを発揮して方向性を指し示す。
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